ティーダ試乗インプレッション (1)

5ナンバーコンパクトとして秀逸なスタイリングと国産ハッチバックらしからぬスタイリッシュなデザイン、「モダンリビング」の立派なシートなど、前々からかなり気になってたクルマだったんだけど、「ティーダでちょっとよそ行き」キャンペーンに当たんなかったので腹いせ (?) に自腹でレンタカー借りてみました。

太陽がいっぱい

サニーの後継として、マーチ・キューブ系のBプラットフォームをベースに開発されたブランニューコンパクト。サニー、パルサークラスという日産の中核を担う車種だけにそれなりに気合い入ってるはず。
「サニー」のビッグネームをあっさり廃止しちゃうゴーンの英断 (かどうかは知らんけど) には思わず驚いたけど、新たに与えられた名前は“tide*1”からの造語で、発音は沖縄弁で「太陽」を意味する方言に由来する・・・とここまで書いてやっと気付いたんだけどね、サニーの後継ってことにもかけてるっぽいね?名前の由来は前から知ってたのに今更気付いたよ?

「ティアナスピリット」

サニーのスピリットは生きてるって事かぁ、とほんのちょっと感傷的な気分に浸りつつ、やっぱり目の前のティーダはサニーのイメージとは全く別物。一気に若返っちゃって大丈夫なのかしらと不安もありますが、まぁ街中でもそれなりに見かけるし失敗ではなさそう?
さて、今回の個体はシルバーの15M。プライバシーガラス、オートエアコン、電動ドアミラーにオートライトも付いた中核グレード。H16年10月登録で走行距離37,192km・・・はいいんだけど、前後に結構コスった痕があったり、リアバンパーが外れかけてたり (借りた後で気付いた)、状態は大分アレ。ま、サニーの後継だし?
ドアを開けて乗り込んでみればまずは「ティアナ並」という大きいシートが印象的。サイズの関係で車両中央寄りに移された調整レバー、慣れるまでは違和感あるけど、まぁ左手でもそんなに操作し辛いって事は無い。と思う。確かに考えてみりゃドア側に付ける必然性も思い浮かばないしね。むしろ左利きの人にはイイかも?ただ言われるような「フランス車風」というのはどうなんだろね。仏車はカングーくらいしか乗ったことないけど、アレと比べても別に感動ないし、でっかいにはでっかいけどけどやっぱり国産車のシート、という感想。悪いシートじゃないけどやっぱり長時間乗ってるとお尻が痛くなる系。クッションの柔らかさに比べて表皮の張りが強いせい?ちょっと残念。
インパネは好デザイン。質感自体はそれほどでもないけど、デザインで上手いこと誤魔化せてる感。唯一シルバーのアルミ調パネルはちょっと安っぽいかな。写真では結構ボリューム感ありそうに見えるけど、乗ってみれば適度なレベル。最近の日産車らしく足下の空間は狭め。
デザイン優先、だからかどうか小物入れの類は少なめ。特に不便は感じなかったけど。気になるのがマーチと共用パーツのドアノブ。丸基調のポップなデザイン故に落ち着いた雰囲気のティーダにはどうにも不似合い。この辺「デザインにだけは」コストかける最近の日産にしちゃ珍しい気が。まぁプレサージュも同じドアノブだし、量販車種はコレで統一するのかなと思ったらシルフィやウイングロードは違うしなぁ。
あと灰皿がデフォルトで無いのも残念、です。カップホルダーに入れるヤツが純正OPになってるのですが、そうすると二人乗車でカップホルダー使えないじゃん、ってウチは相方が非喫煙者だから運転中は喫わないけども。それにしてもサニー後継に灰皿ナシって結構大胆な気がする。

ボクらがうしろにのりたいクルマ

「シーマ並」とのリアシートは確かに広いけど、そうするとシーマはどうなんだろと思わなくもなく・・・てなヒエラルキーの葛藤はさておき、ホント広いです。それこそ運転手が小柄なら足もよゆーで組めちゃう。リクライニングも出来るしアームレストでかいし、いいなぁコレ。因んで走行中の乗り心地についてはずっと運転手してたので不明。
立派なシート故に6:4分割可倒式のリアシートを倒してもフラットな荷室にはならないんだけど、そこら辺を求めるなら2段マルチトランクなノートをどうぞ、というコトで。もちろんティーダだってリアシート最後端まで下げてもフツーに4人で旅行や何やら行くのに十分な広さあると思います。

*1:タイド=自然の調和、潮流