Update! Youe Life. トヨタ ラクティス デビュー

ふぁん!かー!ご!ヴィッツFMCに半年遅れてのデビューとなった新型ファンカーゴこと「ラクティス」。この後11月にはプラッツ後継の「ベルタ」、来年1月にbBのFMC、と続きます。
名前を変えた所からも分かる通り、ファンカーゴ後継というよりは対フィット、ノートのブランニューコンパクトワゴン。ファンカーゴで思い出すのは、だだっ広い頭上空間、バンみたいに跳ねるリアサス、面倒なリアシート格納・・・一言で言えば「荷物グルマ」的イメージなんだけど、ラクティスはそこら辺かなり洗練された印象。7速CVTとか全車16インチタイヤ標準とか最近流行りの大きいサンルーフ (パノラマルーフ) とか、乗用車として魅力的な装備を満載。


それにしてもこのスタイルは何と言ったらいいのやら、インパクトというか面白味に欠けるカタチだ。デザインは確かにファンカーゴより乗用車的になったけど、スタイリングが全くもってつまらない。サイドもリアも直立に近く、ルーフからフロントへのラインは何の変哲もないワンモーションフォルム。ペーパークラフトで作りやすそうな。ボンネットの三角形に切られたキャラクターラインとか、やりたいことは分かるような気がするんだけど、どうもエッジが緩いせいかはっきりしない。光線によっては全然見えないし。顔付きだって、妙にトンガったヘッドライトとフツーにトヨタ車っぽいグリル、中途半端に間隔の空いたバンパーの2段グリル、とちぐはぐ。リアはリアでナンバープレートとキャラクターラインとエンブレムの位置がバランス悪いし、申し訳程度に張り出したバンパーも (トヨタのことだから機能面では問題ないだろうけど) 中途半端。裾を広げて安定感出したかったんだろうけど、上で幅絞ってるせいで幅の狭さと屋根の高さ強調しちゃってるし。
インテリアは、ヴィッツ準拠だった先代と違って完全に自前。ドアからメータークラスタ、センターパネルまで大きくラウンドした線で纏めたインパネ周りは写真で見るとどうにも地味だけど、実際に運転席に座ってみれば適度な包まれ感が良さそう。センターパネル周りがちょっとゴチャゴチャしてるのが残念。「パノラマビューメーター」は新型シビックマルチプレックスメーターと同じくハンドルの上方に位置する。視認性は現物見てみないと評価のしようがないんだけど、「ただ穴開けてメーター突っ込みました」みたいな工夫の無さは何とかならんか。ハンドル奥のアッパーボックスは使いづらそう。
ファンカーゴの大きな欠点だったリアシートは、床下格納から一般的な足下格納に。体育座り的ポジションは多少なりとも改善されてるみたいだけど、写真で見る限り平板で小さいクッションは相変わらず。段差越える度に床板がガタガタいってたファンカーゴを思えばマシにはなったか。荷室はラゲッジ容量は標準で321L (VDA) とフィットの382Lに劣るけど、開口部の地上高を下げたり段差なくしたりと利便性では上回る。そうそう、結構高さあるからバックドアの開閉に気を遣いそう。


ボディサイズは3,955 (ファンカーゴ比+95) x 1,695 (+35) x 1,640 (-40) と、ファンカーゴより僅かに大きく低く。全高を40mm下げたけど、室内高は逆に1,365mm (パノラマルーフ車は1,320) と75mmも向上。パッケージングの改善というよりは後席床下収納をやめたのが大きいような気がする。直接のライバルになるフィット (3,845x1,675x1,525)、ノート (3.990x1,690x1,535)、キューブ (3,730x1,670x1,640)、デミオ (3,925x1,680x1,530)、コルト (3,885x1,680x1,550) 辺りと比べるとちょっと大きめ。
他にカタログスペックを比べてみると、10・15の燃費がラクティス 1.5X (18.4km/l)、フィット 1.5G・CVT (19.2)、ノート 15E (18.2)、キューブ 15M (18.0)、デミオ 1.5リッター (18.2)、コルト 1.5リッター (18.2)。
最小回転半径はラクティス4.9m、フィット4.7m (メーカーOPの15インチアルミ装着車は4.9m)、ノート4.7m、キューブ4.4m、デミオ4.9m、コルト4.7m。


グレードとメカニズムの組み合わせはシンプルに基本2種類、ベーシックグレードのXは1.3リッター+CVT (4WD車は1.5リッター+4AT)、上級グレードのGは1.5リッター+アクティブCVT (4WD車は4AT)。両グレードにプラス12万で装備充実のLパッケージ、XにはスポーティなドレスアップのSパッケージ (+20万円) とパノラマルーフのパノラマパッケージ (+14万円) も。ベーシックのXでもプライバシーガラスとかキーレスとか基本的な装備はもちろん、自発光式メーターにウィンカー付きドアミラーなんて無駄な装備も標準。Gには更にテレスコ、リヤルーフスポイラー、リヤセンターマルチトレイに加え、何とクルーズコントロールまで標準装備ですって。あ、オーディオはどっちもOPですけど。Lパッケージはスマートエントリー、CDオーディオ、オートエアコン、イモビなどが付き、Sパッケージは16インチアルミ、エアロ、オートエアコンなど、という内容。
お値段は1.3Xが¥1,386,000、1.5Gが¥1,512,000。例えばベーシックの1.3Xに同等のフィット1.3A (¥120.75万)、キューブ14S (¥134.19万)、最上級グレードになる1.5G Lパッケージ (¥163.8万) に同等のフィット1.5W (¥155.4万)、ノート15E (¥139.65万) とかと比べるとちょっと高めかな、という印象。その価格差は自発光式メーターとかアクティブCVTとかクルコンとか、無駄な豪華装備が埋めてくれるワケなんだけど。そうそう、アクティブCVTはパドルシフト付きの7速シーケンシャルシフト。パノラマルーフはもう珍しくも何ともないけど、天井面積に占めるガラス面積の割合が最大、というのがウリだそう。


名前だけ聞くとどうも電動自転車か乳酸菌飲料かってな感じで、一代であれだけ定着したファンカーゴの名前をあっさり捨てるのは勿体ないような気もするけど、でもまぁ「ファンカーゴ」ってイメージのクルマでもないか。因んでRactisとは“Runner with activity & space”からの造語で、アクティブな走りと広い室内空間をあわせ持つクルマの意、だそう。