新型シビック デビュー

新型シビック デビュー

'72年の初代から今年で33年、8代目になる新型シビック。もう北米欧州で一足先にお披露目されて、散々語り尽くされちゃった感はありますが。
今回のFMCではご存じの通りハッチバックが消滅し、1.8リッターセダンとハイブリッド (11月発売) のみというラインナップに。もちろんタイプRもありません。またボディは一回り大きくなって3ナンバーの大台に。4,540 (先代比+105) x 1,750 (+55) x 1,440 (±0) という寸法は、現行プリメーラ (4,565x1,760x1,480) とほぼ同等の立派なサイズ。ファミリアが拡大したという所で成り立ちが近いアクセラ (4,485x1,745x1,465) よりもちょい大きめ。
ボディが大きくなってお値段も上級移行、価格帯は¥187.95〜214.2万 (ガソリン)。量販グレードの1.8Gが¥1,953,000という事で、ライバルはアリオン A18 “Gパッケージ” (¥1,911,000) とか、プリメーラ 18G (¥1,940,400)、シルフィ 18Vi-G (¥1,975,050)、アクセラ 20C (¥1,837,500) 辺り。シビックのくせに!と言いたい所だけどカローラだって1.8リッターなら190万する時代ですから。あ、自分だったらアクセラ買いますアクセラ。あと気になるのは今年の12月に出る新型シルフィ。B15サニーそのもの、な現行型よりは大きくなるものの5ナンバーサイズに収まり、1.8と2.0のMRエンジンにエクストロニックCVTの組み合わせはティーダラフェスタと同等、内外装は小さいティアナもしくは大きいラティオというセンになるそう。
閑話休題。ハイブリッドは小型化と高効率化を図った「新Hondaハイブリッドシステム」を搭載、「モーターはあくまでエンジンの補助」というポリシーは相変わらずだけど、モーターだけでの走行も可能になったのが今回のポイント。95ps/6,000rpmの1.3リッターi-VTECエンジンに組み合わされるモーターは20ps/2,000rpmのIMA*1。新開発の「3ステージi-VTEC」エンジンが低回転・高回転・気筒休止と3段階のバルブ制御を行う事で、40km/h程度の定速走行時には全部の気筒を止めモーターのみでの走行を実現。燃費は10・15モードで31.0km/l (先代は29.5km/l) に。最大のライバル、プリウスはと言えば77psの1.5リッターエンジンに68psのモーターで燃費は35.5km/l。カタログ数値の単純比較は無意味だけど、エンジン主体なホンダのハイブリッドに比べてモーターの性能も高いプリウスはやっぱし有利でしょう。ちなみにボディサイズはシビックハイブリッド (4,540x1,750x1,435) よりプリウス (4,445x1,725x1,490) が小さく、車重はシビックハイブリッドの1,260kg (MXB) に対しプリウス1,250kg (S) と10kgの差。
お値段はMXBが¥2,194,500、MXが¥2,362,500。プリウスはSが¥2,257,500、Gが¥2,530,500とちょっと高めだけど、プリウスSはエレクトロマルチビジョンとCDオーディオ、プリウスGは更にVSCとかクルーズコントロール、CDチェンジャー、スマートエントリーが付いてくるワケだから価格差は十分埋まっちゃう。あとはデザインやハイブリッドシステムの内容、それに装備の要不要なんかで選んで下さいと。シビックハイブリッドは見た目に標準車との違いがあんましないのが物足りないよなぁ。
そんな大きくなったボディは何というか・・・どうなんだろ。幅の制約が無くなった割に抑揚のないサイド、クリーン過ぎるくらいクリーンなスタイルには似付かわしくない派手なグリルとライトはオヤジセダン風味で、ワイド&ナローなスタイルの割にスポーティ感は薄いし、Fバンパーからリアまで一直線に通されたキャラクターラインは安っぽいし、何とも残念なデザイン。国内向けホンダ車らしく無駄なディテールが多いのは相変わらず。ライトもグリルもシンプルな北米仕様や欧州仕様の方が全然マシですよオモチャっぽいけど。丸目四灯の目立つリアエンドは、どこか先代アコードに近いホンダのセダンらしいイメージ。「先進感溢れるモノフォルム・デザイン」を標榜した割に新しく見えないのはこの辺に原因があるような。
インテリアも最近のホンダらしい派手好みで、ドライバーズシートを包み込むように大きくラウンドしたインパネはなかなかにスポーティ。マルチプレックスメーターとやらは運転中に見ることの多いスピードメーターなどを独立させ遠くに配して視線移動を減らすという試み。センターメーターにするとスポーティ感が失われちゃうしぃ・・・という所で面白いアイディアではあるけど、表示関係が色んな所にいっちゃうと逆に視線移動が多くなるのではなかろか。というのはセンターメーターとATインジケーターとかがバラバラだった現行エスティマに乗っての感想。そもそもこの未来ちっくなインテリア、欧州仕様の5ドアハッチにこそ似合う・・・って欧州仕様はもっと派手だったりするんだけど。何にせよ「オヤジセダン」風味の漂う日本仕様には違和感アリ。
んで世間じゃ「シビックは死んだ!何故だ!」ってそうじゃねぇ。熱狂的なホンダファンの皆様におかれましてはこんな大きいオヤジセダンをシビックだと受け入れられない方も多いそうですが、個人的には先代シビックだって十分死に体だと思ってたし(失礼)、実際先代のハッチバックってあんまし見かけなかったし、セダンオンリーになるのも当然っちゃ当然かなと思いますよ?昔のシビックのポジションにはフィットが居るし、フィット派生車種もこれだけ充実しちゃってくるともう3ナンバーのハッチバックなんて好きモノしか買わんよな。
むしろ今回のシビックの問題は、ライバルに対するウリが見えにくい所。オヤジセダンなら日本人受けするメッキ&木目調に5ナンバーサイズ厳守のプレミオ・アリオン、お仕事用ならカローラなりフィットアリアなり、んでハイブリッドならプリウスがある。このシビックセダン、北米市場向きすぎて日本じゃ地味な現行カムリみたいな影の薄さを感じなくもないのです。今年のCOTYにはシビックとステップワゴン、どっちを売り込むんでしょね(笑
ところでどうでもいいっちゃいいんだけど、今回のシビック。形式名が「DBA-FD1 (1.8)」「DAA-FD3 (ハイブリッド)」なんだそうです。つまり・・・FDシビック

*1:Integrated Motor Assist