日産 ウイングロード プレビュー

日産 ウイングロード プレビュー

本モーターショー最多となるワールドプレミア8台を出す日産も出展概要を発表。先行発表された「Pivo」に加え、新型GT-Rのプレビューとなる「GT-R PROTO」、「Foria」、「Amenio」という4台のコンセプトカー、11月から1月にかけてモデルチェンジ予定のウイングロードブルーバードシルフィ、モコのプレビュー、それにノートのコラボモデル「Note inspired by adidas」という内容。
で、まずは11月14日にリリースされる新型ウイングロードエアウェイブ、フィールダーとの三つ巴の争いを制するため送り込まれる重要なモデル。実は現行のデビューは'99年の5月、もう6年半と結構な長寿モデルだったり。ビッグマイナーでイメージ大きく変わったせいかそんなに古さ感じないけど、そういや「MJI」とか言ってたクルマなんだよなぁ。
既にプロトタイプが報道公開されてるので雑誌なんかで見た人も多いと思うけど。うーん、何と言ったらよいやら。ティーダベースならもうちょい何とか出来たんじゃないかな、というか何とかしてほしかったな、というか。下手にイメージ変えるくらいなら「ティーダワゴン」くらいな方が良かったんじゃないか。顔付きはティーダと全く異なるイメージで、特徴的だったボンネットフードの造形が変更され、代わりにヘッドライトで存在感をアピール。してるんだけど、どうもヘッドライトの存在感が大きすぎて幅の狭さを強調してるように感じる。角が取られたせいでティーダと比べても古臭く見えてしまうのは残念。
「ウェーブド・ドリップライン」なるサイドのウィンドウグラフィックで個性を出すのはセレナのシュプールラインと同じ。ボディラインにも同じイメージ使って連続性を持たせる辺りもセレナと同じだ。小手先の演出と言えばそれまでだけど、キャビンと荷室をハッキリ分けてワゴンらしい実用性をアピールするのは好感もてます。カッコいいか悪いかはさておき(笑
一番気になるのがリア。サイドから繋がったウエストラインがちょっと低めでハッチバック風なんだけど、ティーダと違って角度が立ち気味だしDピラー隠してるし、なによりテールランプの位置が低いので、どうにもリアウィンドウが大きく見えてバランス悪い。それが顕著なのはバンパー下部がブラックアウトされる標準車。エアロボディならマシっぽい。ま、エアウェイブだって鰻の寝床みたいに長細く見えるボディとか中途半端なカーブのリアウィンドウとか正直どうよ、というデザインなのでどっちもどっちか。
インパネ周りも「モダンリビングコンセプト」の流れを汲むティーダに比べて大分コンサバ。シンプルなデザインで、スポーティ感をことさらに煽るような演出も無し。ま、所々に残るフィットのイメージが安っぽさを感じさせるエアウェイブとか、カローラそのものなフィールダーよりはマシかなと。
リアシートはコンパクトワゴンクラス初、というティーダ譲りの120mmロングスライドと、最大40度のリクライニング機能でライバルに大きく差を付ける。ワゴンのキモであるラゲッジスペースには、「リモコンフォールディングシステム」なるリアシートはもちろん助手席までラゲッジから倒せるレバーを装備。他にも大容量100リッターのアンダーラゲッジボックスとか、現行にも設定されてるウォッシャブルラゲッジボードに撥水シートの設定もあったりして幅広く使えそう。
プラットフォームはじめメカニズムはティーダと共通。1.5リッターHRエンジン+エクストロニックCVTが標準で、もちろん1.8リッターMRエンジンや、e-4WD仕様 (1.5リッター+4AT) も用意される予定。
サイズは4,440x1,695x1,505mmと、現行 (4,410x1,695x1,500) と大きな差は無し。ただしホイールベースは2,535→2,600mmに伸ばされ、居住空間も拡大。エアウェイブ (4,350x1,695x1,505)、フィールダー (4,410x1,695x1,520) と比べるとほんのちょっと大きめ。
モデル末期のフィールダーはさておき、6割以上が装着してるスカイルーフとフィット譲りのユーティリティ性をもつエアウェイブはかなりの強敵。フィールダーも来夏にFMCされる予定だし、さてこの勝負誰が勝つことやら。