君と生きている幸せ

もうほとんど良くなったし。

ほとんど――

……

うあー。とのっけから思わず声が出ちゃう切なさ。とりあえず体調は落ち着いたけど、まだ全快とは言えなくて。それでも昨日の事を気にしてこうやって日記を残してくれる綿雪ってば本当にもう!もう!あー、何だか氷柱の気持ちが分かってしまうというか、それこそ脳科学者でもBJでも目指す!な気持ちにもなるってもんですよ。とは言え綿雪自身はそういう特別扱いは望んでないのだろうし、せめて病気の時くらいはなんて言っても普段から病気がちだし、あぁもうもどかしいったら。その上で

ユキは――お兄ちゃんの心配してる顔、みたくないです。

なんて言われちゃうとまた裏山に逃げだしたくなるのですが(駄目人間
ただ考えてみれば氷柱はじめ彼女の体調を気にかけてくれるお姉ちゃんはいっぱいいてくれてるワケで、そうして見るとトゥルー俺がヘンに気を遣うのは逆効果、とは言わないまでも彼女にとって必要なものとはちょっと違うのかなとか。それが彼女の優しすぎる気遣いだったとしても、こうして希望を口にしてくれたならばそれに応えるのが一番の妹孝行。「病は気から」なんてレベルのハナシじゃないのはもちろんだけど、脳科学者でもBJでもないどころか看病だってホタや春風さんに敵わないだろう兄にできる事は楽しませてあげる事――なんてちょっとおこがましいけど、「そんないけないこと」を考えなくていいように、綿雪にとって本当に大切な一日一日を楽しく過ごせるように。ユキの大好きな「お兄ちゃん」の笑顔が少しでもその助けになるんなら、いくらでも笑顔でいられるってもんです。


それにしても

夢の中のお兄ちゃんは、眠っているユキのおでこにそっと


チュってしてくれて――

何よその色男。お茶目さんかと思いきややる時はやっちゃう主人公っぷりに思わず嫉妬。――自分に嫉妬?いやまぁ何であれ綿雪の熱が下がったんならそれに越したことはないけども。それに夢の中だから実際にしたかどうかは分かんないしな。うん。