麗さんの鉄道趣味について渋滞に巻き込まれながら考えてみた

べびプリの九女、麗さん。彼女がガチな「鉄」であることはもう誰もが認める所かと思いますが、その趣味の範囲や対象がどんなもんなのか、もっと言えば「何鉄」なのかについては気になる人も多い・・・かどうかは知らんけど渋滞中にふと気になったのです。見てると乗り鉄とか車両鉄って言われてるみたいですが、実際どうなのかなと。
ちなみに「乗り鉄」は列車に乗ることが至上の楽しみ、目標は日本全国の路線乗り潰しという人達。「車両鉄」は車両の形態や遍歴について調べたり分類したりする人種なのです。他にもカメラ片手に列車を追いかける「撮り鉄」、模型を愛でる「模型鉄」、車内放送や列車の走行音を録音して楽しむ「録り鉄」などなど、歴史の長い鉄道趣味だけにその方向性にも様々なジャンルがあるのです。また行動での分類に留まらず、ローカル線にハマってみたり蒸気機関車だけ異様に詳しかったり国鉄時代の車両に拘ったり、と対象で分かれる事もあるのでとってもホントに多種多様。詳しくはWikipedia鉄道趣味の分野を見て頂くとして、じゃあ麗さんはどうなのよ、というのを今までの発言の解説含めて考えてみたのでした。長い割に大した結論じゃないので途中飛ばして最後だけ読んでもいいと思うよ。


まずは衝撃的だった一番最初のキャラクター紹介から、

私の恋人は105系

300系が好きなら見所あるわ♥

105系国鉄時代に製造され、広島や奈良地区、ちょっと前までは仙台の仙石線でも走ってた地方都市向けの通勤電車。改造などで意外に車体のバリエーションが多いのが特徴。
300系は初代「のぞみ」号として開発された、JRの新世代新幹線。デビュー当時、親子試乗会みたいなイベントに申し込んだら当たっちゃって大阪行けたので、個人的にも印象深い車両。


で、実はこの時点では正直麗さん、と言うより公野先生の事ナメてました。鉄オタなんて「○○系」とかクハだのモハだの言わせとけばいいんじゃないの的な軽いノリでキャラ作ってるんだろと。
だって105系300系国鉄時代のローカル電車とJRの花形新幹線に何の共通点があるのさってハナシですよ。しいて言うなら、最初からローカル輸送向けに製造され一部地区のみで細々と走ってる105系と、「のぞみ」として華々しくデビューしながら今や各駅停車の「こだま」にばかり使われている300系、どっちも地味なキャラクターではあるんだけど、それにしたって見た目も中身も全然違うし・・・以前300系「301系」の事を指してるんじゃないか、なんて説もあったけど、麗さんのガチっぷりを見るにそんな呼び方をするとは思えないんですよね。
300系と言うと他にも東武の日光方面特急東急の世田谷線名鉄の地下鉄直通用車とかあるけど、東武のは古い急行車両を塗り替えただけの地味な特急だし、その後の日記の内容から関東圏に住んでると思われる麗さんが名鉄の車両をいきなり出してくるとも思えないし、そもそも頭に「東武の」とか「東急の」とか付けずに300系と言った場合、新幹線の300系である可能性が一番高いのです。


となるとやっぱりテキトーに作ったのか、それとも我々には簡単に計り知る事の出来ない何か深遠な理由があるのか・・・と悩んでたのですが、その後色んな情報が出てくるに従ってようやく彼女のスタンスが何となく見えてきたような気がしたのでした。


まずは再び衝撃的だった1月の日記で謎の一つが明らかに。

私の初恋の人105系を見たあの日に思ったこと、
私、今でも覚えてる。
それまであんまり電車に乗ったことの無かった私は、
あの日初めて彼を見たの。
ああこれが訓練車じゃなくて今ここですぐに乗れたらって――。
体が熱くなって目の前が真っ赤になる気がしたわ。

例の105系についてなのですが、彼女の言ってた「105系」は西日本で現役活躍中のそれではなく、JR東日本仙石線を引退した後「訓練車」として使われている車両を指していたのでした。ちなみに「訓練車」ってのは現役を退いた車両を用いて、鉄道車両に携わる新人社員に実地訓練を行うためのモノで、元105系の訓練車は新秋津の八王子総合訓練センターと久里浜の横浜支社総合訓練センターにあります。
なんでそんなマイナーな車両に一目惚れ・・・と思ったのですが、考えてみれば仙石線の105系は、103系――昔は山手線や京浜東北線をはじめ日本全国の都市部で走っていた、国鉄時代の通勤電車の「標準型」とでも言うべき車両――をベースに改造された車両で、見た目はその103系とほとんど変わりないのです。
103系は製造された車両数の多さや活躍した地域の広さもさることながら、四角四面のまさに「通勤電車」というスタイル、どこか愛嬌を感じさせる顔付き、また昨今のシルバーばっかりの通勤電車と違い、山手線の黄緑 (専門的にはウグイス色と呼びます) や総武線の黄色 (同カナリアイエロー)、京浜東北線の水色 (同スカイブルー) などなど路線に合わせたカラーに塗られた車体が灰色の都市に彩りを添えた、まさに名車と呼ぶに相応しい車両。


んで、この「名車」103系ではなく、敢えてその改造車である105系を恋人に選んだ理由は何故か、を考えてみると「それまであんまり電車に乗ったことの無かった」彼女、またその年齢を考えるに103系の現役時代をその目で見る事は叶わなかった可能性が高く、写真や模型で眺めるしかなかった憧れの車両にそっくりな・・・もしくはそれほど鉄道知識が無かった時に、たまたま見かけた実直で飾り気のないスタイルの105系訓練車にきゅん――♥と来ちゃったか。どちらかは分かりませんが、何にしてもそういった事情があの「105系恋人発言」に繋がったのかなと。
また、この日記では他にも京浜東北線の209系地下鉄東西線の5000系引退にも触れており、G's3月号にも

働き者の通勤電車は好きよ

とあるのでどうやら四角い通勤型の車両がお好きなのかな――あれ、それじゃ「300系」は何なんだろ?と思いきやその鍵は2月の日記にありました。日記の内容については以前書いたのでそっち読んで頂くとして、注目は特急「スーパーおおぞら」のシールにご執心の麗さん。もちろんお土産でもらった大事なもの、って理由もあるんだろうけど、

私はスーパーそうややスーパーほくとよりもスーパーおおぞらがすき。

発言を見ても、別に新幹線や特急に興味がないワケじゃないどころか好きみたいなんですよね。


これは一体何なんだろう・・・とひとしきり悩んだ所で、ふと「そもそも趣味の傾向を決めつける必要なんてないんじゃないか」って事に気が付いたのです。あ、いや、別に考えるのが面倒になったとかそういうんじゃなくって、自分が子供の頃を思い出しての結論ですよ?
彼女だってまだ小学生。それこそ電車のシールが宝物になるくらいには子供なのです。鉄道趣味と出会ってからそう長いこと経ってないワケで、日本中の色んな列車に乗ってみたい、あそこの駅にも行ってみたい、あの模型も欲しい、このグッズも欲しい・・・そんな年頃なんじゃないかな、と。
それこそ

私――。
もう1台だって引退して欲しくないよ。
みんな、みんな、
私が大人になるまで待ってて欲しいの。

こんな気持ちになるような。そしてこういう気持ちって自分も子供の頃に感じてたよなぁ、ってちょっと切なくなったり。鉄道好きな子供の気持ちをこんなに見事に表現できるなんて、ホント凄いです公野先生。


んで、最初に上げた鉄道趣味のジャンルってのはそういう子供時代を経て段々と細分化されていくもので、小学生の麗さんを「何鉄」だなんて分類しようとする方がおかしいハナシなんじゃないかなと。
「模型鉄」になりたくても高価な模型はそれこそクリスマスと誕生日とお年玉くらいでしか買えないだろうし、この年頃で記念PASMO買うために早朝から並んだりマイク担いで駅の放送とか録音するのも想像出来ないし、やっぱり近場の路線で「乗り鉄」するか雑誌や図鑑で車両の知識を得るのがメインになっちゃうのです。
あとはもしかしたらノートに架空の路線図や架空の車両なんかを書いたりしてるかもしれませんが、そこら辺はツッコもうとすると自分の黒歴史的なものに触れざるを得なくなるのでやめとく。


確かに比較的車両そのものに対する発言が多いこと、またドアの形態にまで拘ってる辺りから「車両鉄」の傾向が強い、とも言えますが、そもそも鉄道に興味を持つ場合、フツーは車両から入りますからね。車内放送や時刻表や駅弁から鉄道にハマるってパターンはそうないし。
個人的に気になるのは子供でも手軽に出来る「撮り鉄」をしてる様子が見られない所なんですが、まぁカメラ持って興奮気味にホーム歩き回る姿、なんてあんまり絵的にイイものじゃないしね。小さいデジカメでも持ってちょっと目に付いた列車や風景をスナップする、くらいかな?


前述の「300系」の謎について言えば、電車の中では「通勤電車」が好きだけど、新幹線という括りの中なら300系が好き、って感じなんじゃないかな。分かりやすくカッコいい500系とか主力の700系じゃなく、各駅停車の「こだま」運用に就く事が多い300系を好む辺りはどことなく通勤電車好きな所に通ずる気もします。
あとはあの「300系が好きなら〜」発言はトゥルー兄に対するモノだろうから、「鉄」じゃないトゥルー兄に対してある程度一般でも知ってそうな新幹線を挙げた、という彼女なりの配慮なのかもしれません。


結論としては、麗さんは鉄道趣味に関してはまだまだニュートラルな立ち位置なのではないかな、と。比較的「通勤電車」が好きな傾向にあるのは間違いないみたいですが、これからどんな車両に出会い、どんな経験をするのか、それ次第で彼女の趣味は変わっていくんじゃないでしょうか。何たってまだ小学生ですからね。これからの彼女の成長を楽しみに見守っていきたいのです。



と言うようなコトを八王子で渋滞にハマりながら考えてたのでした。サーキットで写真撮りながら携帯で某掲示板見たり、帰りに道の駅で休憩しながら携帯で更新確認したり、我ながらもうどうかしちゃってますね。


[おまけ]
タイトーのDS用ソフト「鉄道ゼミナールJR編」のWeb体験版で鉄道検定がプレイ出来るので、麗のお兄さんは試してみては?自分は9問正解の97点でした。さすがにジパング倶楽部の年齢制限は分からんて。