長幼の序

麗さんまで1回更新に!そりゃ3回も怒られれば学習するか。トゥルー兄に対してもそれこそ一緒に人生ゲームするくらいには慣れてくれたみたいで嬉しいような、でも麗さんの2回更新が無くなるのはちょっと寂しいような・・・ま、天丼もあんまりやりすぎると逆効果だしね。


今回の鉄道ネタは小田急「ロマンスカー」ロマンスカーってのは簡単に言うと小田急の特急列車に付けられた愛称。1950年から使われてる歴史の長い名前であり、今や「ロマンスカー」と言えば小田急、ってくらいには定着してます。
ちなみにあくまで小田急の特急列車全体を指す愛称で、時刻表に載る列車名 (新幹線で言うところの「のぞみ」や「こだま」みたいな) はまた別に「はこね」号とか「えのしま」号とか。


更に面倒な(?)事にロマンスカーは歴代の車両ごとにも愛称が付いてて、初代の3000形が「SE (Super Expressの略)」、2代目3100形がNSE (New Super Express)、以下7000形LSE (Luxury Super Express)、10000形HiSE (High-decker Super Express)・・・と続き、最新の「MSE (Multi Super Express)」は今年3月のダイヤ改正でデビューしたばかりの「60000形」なる新型車両。
地下鉄千代田線への直通運転をするために作られたこのMSEは、「地下鉄初の有料特急列車」としてかなり注目度の高い列車であり、特急列車にあんまり興味ない麗さんでもやっぱり気になるご様子。


んでご覧の通り歴代ロマンスカーの愛称には必ず「SE」の文字が付いてたんだけど、その伝統を打ち破っちゃったのが麗さんが一番好きだと言う30000形「EXE (Excellent Express)」。名前だけじゃなく、車両そのものもロマンスカーの伝統だった先頭車の展望席 (運転席を2階に置き本来の運転席の場所まで客席にして、先頭からの眺めを楽しめる座席) を廃したり、特急電車らしい流線型なデザインのロマンスカーとは大きく異なる、直線的であまり華のないスタイルになってしまったり、と今までのロマンスカーのイメージからはかなりかけ離れた車両に。
そうなっちゃった理由は一言で言えば時代の流れ?箱根方面への観光特急という華やかな使命を担ってきたロマンスカー、車両も豪華で華やかに造られてきたんだけど、バブル崩壊に伴い観光輸送の需要が減少した事、また豪華な特急列車と言うキャラクターそのものが時代にそぐわなくなってしまった事もあり、EXEは沿線住民の通勤輸送をメインに考えられた言わば「通勤ロマンスカー」として産まれたのです。


輸送需要の変化に合わせた変化であり、車両自体の出来だって別に失敗作ってワケじゃないんだけど、伝統の「ロマンスカー」に名を連ねてしまったがためにファンからは「こんなのロマンスカーじゃない!」的な扱いされたり、それこそブルーリボン賞を獲れなかったりとかなり不遇なキャラクターになってしまったのでした。
あとはEXEの後にデビューした50000形「VSE (=Vault Super Express)」が再び展望席や流線型なデザインを採用し、正統派ロマンスカー的なキャラクターに戻っちゃったのもEXEの影を更に薄くする要因だったり。


あ、ブルーリボン賞ってのは「鉄道友の会」なる鉄道好きの集まりが、クルマで言うところの「カー・オブ・ザ・イヤー」みたいに前年にデビューした車両の中から最も優れたヤツを選ぼうという賞。業界関係者である自動車ジャーナリストが投票するカー・オブ・ザ・イヤーと違って、趣味人による投票なのである意味純粋?逆に言えば大した権威のある賞には思えないんだけど、「鉄道友の会」は歴史が長く規模も大きい団体だし、他に鉄道車両を表彰するような賞がない事もあってそれなりに有名なのです。そしてその賞を獲れないってのは即ち鉄オタからの支持を得られなかった、という事でして。


そんな不遇な運命を背負ってしまった車両に対する判官贔屓 (?) 的な気持ちは個人的にも共感出来る所であり、それに憤る辺りは彼女の優しさというか・・・何より

どんな車両も誕生したからには幸せになって欲しいな。

って言葉に思わず嬉しくなっちゃいます。どうしても鉄オタは――鉄道に限らずかもしれないけどオタクは自分の趣味に合わなかったりすると貶しちゃう傾向にあるだけに余計。産まれてきた以上は幸せになって欲しい、って気持ちはある意味べびプリの「家族愛」にも繋がるような――ってのは流石に考え過ぎか。って言うか「長幼の序」とか初めて聞いたよ!どこまで賢いのさ!


ちなみに最初に挙がったMSEも、EXEと同じく展望席無いし通勤特急としてのキャラクターが濃いんだけど、地下鉄初の有料特急って事から注目を集めまくってる事や、ロマンスカーの流れを汲む流線型のデザインもあって麗さんの興味の対象とはちょっと違うのかな、とか。