東京モーターショー2007:日産ブース

東京モーターショー2007:日産

日産はワールドプレミアのコンセプトカー「Pivo2」「R.D/B.X」「Intima」「NV200」、そして何と言っても新型GT-Rが注目の的。前回もだったけど、やっぱし話題作りはウマいですね日産。Pivo2とGT-Rのステージ前からは人が途切れることがなく、タイミングが合わなかったこともあって結局国産勢では日産だけステージのショーが見られなかったです。残念。

「Pivo2」

GT-Rと並んで大人気。ホンダのPUYOとかトヨタのi-REALとか、やっぱ動くショーモデルってのは注目集めやすいんですかね。
特徴的なのは「ロボティック・インターフェース」。インパネ上にロボットの生首みたいなのが置いてあって、内蔵カメラと音声認識でドライバーの心理状態や疲労を測定、状況に合わせた言葉を発することでドライバーを落ち着かせたり休憩を促したり、という、まぁ面白いと言えば面白いけど人によっては余計イライラしそうな機能。それよりも声優カーナビはまだ出ませんか?
もう一つの「メタモシステム」は何と走行状態に合わせて前後輪のトレッドホイールベースを変化させるという足回り。加減速やコーナリングで重心が偏った時、そっちの方へタイヤを伸ばす事で姿勢を一定に保つ、だけでなく、『ドライバーの左右確認のために車体を「前に出す」、ドライブスルーなどでの商品受け取りのために「横に寄る」』なんて芸当も出来るらしく、これまた面白そうな機能。
その他中身は前回の進化型で、キャビン360°回転に加えて4つのタイヤまで180°大回転。どこへ進むのか分からないドキドキ感を演出、というのは冗談にしてもボーっとしてたら突然真横に走り出したりしそうでちょっと怖いです。イセッタみたいな前が開くドア・・・ってもこのクルマは前も後ろもあってないようなモノなのであんまし関係ないのですが。
個人的には前回のデザインの方がシンプルで好きだったんだけど、と思ったら今回のデザインテーマは「知的生命体(クリーチャー)をイメージ」したんだそうで、そりゃまぁ気持ち悪いわ。クリーチャーじゃなぁ。

GT-R

もう黒い擬装付きの姿で見慣れちゃったので、逆に擬装外すと違和感が。
スペックはまぁどうこう言わんでも凄いよねという事で置いといて、他の凄いなポイントは、エンジンやミッションはもちろんタイヤまで専用開発だとか、エンジンやミッションは手作業で組み立てられる上、出荷前には検査ドライバーが機械類の調整までしちゃうし、特別塗装色のアルティメイトメタルシルバーは丁寧に手磨きしちゃうスーパーカーっぷり。
面白い機能としてはナビのGPS連動でサーキット内にいることが分かればリミッターを解除できるんだとか。鈴鹿や富士やもてぎは当然として、仙台ハイランドとか間瀬とかエビスとかはどうなんだろ?
お値段も777万円〜とお安くはないけど、最低でも1000万円級のポルシェ911に比べればかなりお得。一応スペックで比べると3.8リッターV6ツインターボで480psのGT-Rに対して911はフツーのカレラが3.6リッターボクサー6で325ps。わぁお得。
デザインの方は丸4灯とか直線的なウィンドウグラフィックとか太いCピラーとか、北米インフィニティの方を向いてスタイリッシュになったV36スカイラインクーペよりむしろ「スカイラインらしい」のは皮肉な気がします。スーパーカーにしたいんならGr.Cのスカイラインくらい突き抜けちゃって欲しいかな、というのは冗談にしても、R34GT-Rの進化版みたいに見えてしまうのはちょっと残念かな・・・

R.D/B.X

キューブサイズの4シーターオープン。クルマ離れが進む若者にアピールするためのコンセプトカーはちょいちょい色んな所から出てますが、今回日産は運転手と他の乗員を同じように楽しませようというなかなか難しい事にチャレンジしてきました。
しかし目を引く要素は「キャッチボールディスプレイ」なる、要は大画面カーナビを4人みんなが操作できるという、子供乗せたら大変な事になりそうなアイテムくらい。『すべての乗員に楽しくエキサイティングな移動を実感させるロードサーフェス・ウィンドウ』はただのドア足下の小窓だし、ベンチシートの座面にバケットシートの背もたれで『異質な要素の組合せによるミックスカルチャーの演出が生む未体験の価値』とか言われても・・・コーナーでお尻だけ動いちゃうんじゃないの?とか。それならアメリカのX箱積んだコンセプトの方がいいんじゃないですかね。車内でアイマスが出来るし!
クルマに興味ない若者はエルグランドみたいな安楽な移動手段を求めるだろうし、クルマ好きならもっとちゃんとしたスポーツカーに走るだろうし、やっぱしクルマに興味持たせるならもっとこうみんなが「凄ぇ」と思うようなインパクトでも無いと駄目じゃないですか?もしくは第2次スーパーカーブームを・・・

Intima

どっからどう見ても次期ティアナ。違ったら笑う。
とは言えデザインは結構変わってて、サイドのカーブしたキャラクターラインが目を引くかなりエモーショナルな造形に。現行のシンプルでクリーンなデザインも魅力的だったのですが、まぁこれはこれで綺麗だしいいんじゃないでしょうか。あのヘッドライトはマークIIブリット思い出してちょっと微妙だけど。
「モダンリビングコンセプト」の発展形という事でやっぱり気になるのはインテリア。綺麗なカーブを描くシートやアーチ形のセンターコンソールなど確かに魅力的、なんだけどそれをスポイルしてるのが青いイルミネーション。明るいブラウン系の内装には明らかにミスマッチ。夜に見たら綺麗なのかもしらんけどさ。そもそも最近流行りだけど安っぽくないか青い照明って。
インパネデザインは意外とフツー。もちろんデザインは悪くないんだけど、現行の方が個性はあるなぁ。特徴的なのはセンターコンソールから立ち上がるエアコンとかの操作パネル。写真で見てもよく分からないんだけどこれはカバーなの?
実際には観音開きとか独立2座のリアシートは採用されないだろうし、エクステリアもヘッドライトやバンパーは大人しくなるだろうけど、それ以外はかなり現実的な雰囲気。来年 (多分) のFMCが楽しみですね。

NV200

商用車専用のサイトまで作って法人向けの商売に気合い入れてるらしい日産らしく、小型商用車のコンセプトカーも出してきました。
4,390x1,700x1,840mmというサイズはタウンエースバン (4,475x1,695x1,870) よりちょっと小さいくらい。それほど特徴のない常識的なカタチながら、ツヤ消しのマットなボディカラーや直線的なラインがいかにも「道具」らしく好ましいスタイル。
コンセプトカーらしい特徴は、荷室部分がカートリッジ状になっていて、駐車時にそれを後方へ引き出すと今度は元の荷室の空間にオフィスが現れる、という「カスタマイズド・カートリッジ」。移動販売はもちろんキャンピングカーなんかにも面白そうなアイディアだけど、広いスペースが必要になるので使い途は限られそう。
細かいディテールやカートリッジ部分はともかく、基本的なカタチは現実的。そして5ナンバーサイズの小型商用車のコンセプトカー、となれば新型バネットバン?とか思っちゃうけど、この手の商用車コンセプトを実際に商用車専用で出せる所はトヨタくらいですからねー。個人的には前のビーラインはちょっと期待してたんですが。