1BOXの可能性をシフトする。 新型セレナ
ステップワゴンに続いて5ナンバー1Boxミニバンの先駆者セレナもFMC。
今回のテーマの一つが「見てBIG」って事で、かなり大きくなっちゃいました。4,690 (先代比+100) x 1,695 (同±0) x 1,840 (同+15) mmというサイズは、FMCで小さくなった新型ステップワゴン (4.630x1.695x1.770) はもちろん、ノア/ヴォクシー (4,580x1,695x1,850) よりもちょい大きめ。室内も最大級で、2,825 (+180) x 1,470 (±0) x 1,355 (+50) mm。車重は50kg増の1,610kgだけどエンジンは2.5リッターが廃されて2リッターのみに。ただQRエンジンから新世代のMRエンジンになり、CVTのセッティングも含めトルク重視になったので扱いやすいですよ、というハナシ。先代の2.5リッターはほとんど売れなかったらしいし、実際2リッターでも十分だったような記憶があります先代は。因んで燃費は13km/l。
もひとつ大きくなったのがサイドウィンドウ。3列目でキックアップしてスポーティ感出してた先代に対し、ウエストラインをしっかり水平にして高さを確保。更に運転席の窓を一段拡げた「シュプールライン」で個性出しつつ開放感と視界を向上。ミニバンはやっぱし開放感が大事だしね。とは言え大きすぎるような気もしなくもないけど。
グレード構成はコンフォートグレード20S/20Gと、スポーティグレード20RS/20RXの2系統4種類。スポーティってもちょっと地味目なエアロが付くだけで、価格もSとRSでは2.1万円の差しかない。量販グレードS/RSと上級グレードのG/RX、って分け方のがわかりやすいかもね。
最量販グレードの20Sは税込210万円。CDオーディオ、オートエアコンなどなど一通り付いてます。20RSは212万1千円。Sにエアロ、専用グリル、フロントフォグが付いて2万1千円高だから結構お得。20Gは20Sプラス28万3500円の￥2,383,500。15インチアルミ、フロントフォグ、オートライト、インストクールトレイ、本革ステアリング、木目調、インテリジェントキーにイモビ、MDCDオーディオ、そして電動スライドドアと電動バックドアまで付く超豪華仕様。20RXはRSプラス12万6千円の￥2,247,000で、15インチアルミ、オートライト、インストクールトレイ、マルチポジションネット、と。防眩ルームミラーが全車標準なのは嬉しいポイント。
ステップワゴンがOPにフローリングやトップライトルーフなど飛び道具を持ってきたのに対し、セレナの注目装備はインストクールトレイにインカーホンとちょっと地味。インストクールトレイは、グローブボックス下の大きいトレイにエアコン吹き出し口が付いてて、そこで飲み物とか冷やしとける実用装備。上級グレードのG/RXに標準 (S/RSはメーカーOP)。昔初代シティとかにあったから目新しさはないけど、あると嬉しい装備かなと。そういやこないだGWに遊び行ったとき、チョコが溶けかけてて隣でクーラーあてて冷やしてたっけ。うん、便利だ。便利。インカーホンは1列目と3列目に小型のマイクとスピーカー仕込んで、広い車内の会話を楽にするアイテム。なんだけどこれOPで選ぶ人ってそうそう居ないような気もする。多人数乗車が多くてなおかつ話し好きなアナタへ。
新型ステップワゴンと違って素直なデザインはそれなりに好感。ただニッサンデザインへの期待値からすればちょっと残念なレベルでもあり。エルグランドを思わせるフロントの造形、シュプールラインとキャラクターラインに連続性を持たせたサイドビュー、表情豊かなサイドの面構成、デザインで邪魔にされがちなドアレールをうまく使ったリアのキャラクターラインなどなど、よく見るとかなりイイ出来なんだけどね。リアビューはちょっと上半分が重いのが気になる。RS/RXのエアロパーツは日産お得意のハイウェイスターとは全く別方向で、「スポーティ」と言うより「アクティブ」な系統のデザイン。こういう方がいいよやっぱしミニバンなんだし。何たって裾に通った「カラードベルト」が2トーンカラーみたいでイイ感じ。1Boxにはやっぱり2トーンが一番。ボディが大きい分、ソレイユオレンジみたいなビビッドな色はサイドの腰高感を強調するんだけど、そこをキッチリ締めてくれる。スクエアドット基調のグリルは後付け感強くてちょっと微妙。
インテリアは最近の日産らしく、シンプルで質感高いデザイン。シフトノブはラフェスタと同じ電動アシストシフト。どうなんだろねコレ。小さいシフトノブって掴みづらくて好きじゃないんだけど。シートの方は、サイズはともかく平板なクッションが気になるところ。チャイルドシートのフィッティングを重視したらしいんだけど、俺子供居ないしなぁ。2列目にはエルグランドや新型プレマシーにもある「セカンドマルチセンターシート」が標準。ベンチシートにもなるしセンターコンソールにもなる便利装備。更に2列目はMPVと同じように前後左右のスライドが可能、とシートアレンジはかなり豊富。
ステップワゴンとセレナが相次いでFMCを迎え、となるともう一つのライバルノアボクが気になるところだけど、こっちのモデルチェンジは'07年の予定。現状一人勝ち状態のトヨタをさてホンダと日産は抑え込めるでしょうか。・・・無理かなぁ。
